DirTitle
店舗検索

Recommendサーラのおすすめ

《2023春夏保存版》
サーラのおすすめ

Interview《巻頭特集》匠インタビュー

「サーラのおすすめ」巻頭特集である、匠インタビューをご紹介いたします。

地元の豊かでおいしい素材を
ジェラートという夢に変えて届ける。
ジェラートサンタ

創業からのレシピと、農業王国・東三河の食材への
絶対の誇りと共に歩み続ける〈ジェラートサンタ〉の二代目
幾田知興氏にお話をうかがいました。

〈ジェラートサンタ〉の誕生と歩み

創業は1986年。飲食とは無縁な仕事をしていた父が、何かもうひとつ商売をやりたい…と模索した結果、当時まだ日本に未上陸の「ジェラート」に目をつけました。父は、同じくジェラートに興味を示していたメーカーの方々とともに本場イタリアに渡って技術を学び、帰国後、ジェラート専門店の草分けとして開業しました。

僕が店を手伝い始めたのは、大学を出てサラリーマン4年目でした。創業から20年以上経っていましたが、その当時はホテルや料理店などへの卸しが大半で、経営的にも不安定。父は「もうやめる」と言い出したんです。でも、いざそう言われると、それはちょっともったいない…と思えてきて「それなら俺がやってみる」と継ぎました。…とはいえ不器用な男同士でしょう。まず仕事を覚えたいのに、親父は黙って作業するだけで何も教えてくれない。こっちも聞き方がヘタだから、ちょっと話せばすぐけんかですよ。でも、その後コンテストで入賞したり、少しずつ事業も広がりはじめ、ちょっとずつ息子のことも認めてくれたんでしょうね、今は一切を任せてくれています。

おいしさの支えは地元の食材

店を継いでまず手がけたのが「地産地消」でした。素材を探しに渥美半島、東三河と農家さんを訪ねましたが、はじめはほぼ相手にされなくて、「それなら自分で育てろ」とメロンの苗木を渡されたこともあったり(笑)

でも、一歩ずつご縁をつないでいった結果、「渥美半島の食材に特化したジェラート」として道の駅などに置かせてもらえるようになりました。そこで改めて気づきましたが、父はすでに、ほとんど地元食材でやっていたんです。

大葉、うずら、お茶、くだものや野菜…東三河は“食材王国”と言われますが、この辺りは本当においしいものが多くて素材に事欠かないんです。

「HANABI」で使用している「ほおずき」(ほおずきトマト)も、当初は地元の農家さんが畑の一角で栽培していたものの、ロスが多いのでどうにかできないか、と相談されたのが開発のきっかけでした。1~3月限定の「菜の花」なんて未だに自分で摘みに行きます。面白いところでは、しらす屋さんの依頼で商品開発した「しらすジェラート」。受注先限定なので当店では食べられませんが、しらすのインパクト十分、海の味がします。ジェラートはどんな食材からでも作れます。まだまだこの土地ならではの味わいを発掘してみたいですね。

日本料理に鍛えられた繊細な味わい

フレーバーについては、通年・季節限定問わず、父が開発したものがほとんどです。父の頃は卸しが中心の営業ですから、お客さまには日本料理店も多かった。和洋を問わず、食事の締めくくりのデザートってすごく大切ですよね。和食の料理人の細かい要望に応えながら商品開発を進めていかなければならない。大葉や糀など、和の食材を取り入れていったのもたぶんそれで、料理の味を邪魔しない、やさしいけれど素材の主張はちゃんとあって、さらりと後味を残さないデザート…と、僕は理解しています。

あえてうちのジェラートの特徴をいうなら、料理の余韻を損ねず、食事の最後をまとめられる味わい…でしょうか。僕は父がやってきたことしか知らなかったけれど、その延長上で仕事をして、今、きちんと評価を得ている。親父の方向性は間違っていなかったと信じています。

たまご不使用といわれる訳は…

少し専門的な話ですが、ジェラートのベースというのは、たまごを使うイエローベース、たまごを使わないホワイトベースに分かれます。たとえばイエローベースにバニラを足せば、いわゆるバニラアイスになるというわけです。そして、それをホワイトベースでやってみたのが、開業当初からの一番人気「ダブルクリーム」です。

〈ジェラートサンタ〉のジェラートはたまごを使っていない、とよく言われます。でも、決してそれにこだわってはいません。試行錯誤しながらおいしいフレーバーを残していった結果、ほとんどがたまごを使わないものだっただけなんです。実際、たまごがあった方がおいしいと思うものには使っています。ただ、日本料理のデザートや素材系のジェラートが売りのうちとしては、ホワイトベースが主流になっていったのは必然なのかもしれません。

素材そのもののおいしさを表現

〈ジェラートサンタ〉の何よりの強みは、素材そのものの味を表現するジェラートです。それについては日本一という自負があります。メロン、巨峰、梨など旬のフルーツなんて、実物以上においしいと感じてもらいたいと思って作っています。コンテストやイベントなどでうちのジェラートを食べた同業者の方々も「素材のみのジェラートを作らせたら本当にすごい!ナンバーワンだ」と誉めてくれますし、普段から“おいしい!”と思う素材に出会うと、これを何とかジェラートにしたいと考えてしまうんです。それだけに良い素材の調達は大切で、その年、その畑ごとに異なるベストな収穫のタイミングでしか製造しませんし、梨などは一週間ごとに品種を変えることもあります。その時々でレシピの配合を調整しながら、味わいを整えてご提供しています。

コンテスト入賞作について

一方、コンテストに出すフレーバーは、通常の商品開発とは考え方が異なり、味はもちろんですが、それよりも「構成」、つまりアイディアや技術の勝負です。

今回お届けする「HANABI」、「paese mio(パエーゼ・ミオ)」は、いわゆるコンテスト用に開発したフレーバーです。2015年の「HANABI」のほおずきは、とにかく素材的にめずらしいし、上品でやさしい甘みは未知のおいしさでしょう。2017年の「パエーゼ・ミオ」のパエーゼとはイタリア語で村、ミオは私の…という意味。この時は「私のふるさと」というキーワードからイメージをふくらませて、日本の伝統的な素材である酒粕、ジェラートのふるさとイタリア生まれのマスカルポーネ、世界一と称されるシチリア産ピスタチオを合わせてみました。

ジェラートの魅力を伝えたい

うちの昔からのお馴染みさんは全体的に年代が高いんですが、今後はもっと若い世代に広げたいですね。それにはまず「ジェラート」自体の認知度を上げること…これは日本のジェラート業界全体の課題でもあります。

たとえば、ジェラートは一般的なアイスクリームに比べて空気の含有率が低く、粒子も細かいため、舌ざわりはなめらか、密度が濃いので味はより濃厚に感じます。しかも乳脂肪分は低く低カロリーです。この“ヘルシー”というのは、ひとつの訴求ポイントだと思います。

SNS、イベント、キッチンカーなども稼働させていますが、動物園にはキッチンカーが常駐しているので、小さいお子さんは“動物園のアイスクリーム屋さん”として覚えていてくれるのではないでしょうか。これからも県内外を問わずさまざまな場所に出没して、おいしい東三河の食材を、夢のようなジェラートにしてお届けできたらと思っています。まさにサンタのように…です!

デジタルブックを見る

ARCHIVESアーカイブ一覧

ご来店、お客さま宅などへの訪問のご予約が簡単にできます!
\そうだ!サーラに聞いてみよう/
事前のご予約がオススメです
まずは郵便番号
お近くの店舗カンタン検索 訪問・来店予約
暮らしのサーラ公式YouTubeチャンネルはこちら サーラのおすすめ
まずは郵便番号
お近くの店舗カンタン検索 訪問・来店予約