今回ご紹介する「orise」(おりせ)は、創業から600年という歳月を麹とともに歩んできた「糀屋三左衛門」だからこそご提案できる、ゆったりと流れる時にそっと寄り添い、豊かな日常をつむいでくれるような甘酒です。
お酒の味は原料となる麹菌が持つ、甘み・旨み・香りのバランスによってその個性が決まります。例えば、ピュアでさらりとした淡麗な味わいや、コクがあってどっしりした重めの味わいなど。お酒は味噌や醤油と違って、塩などの調味料を使わないので、まさに麹菌次第ですね。
当社で保有する数千種類の麹菌から「orise」のために選んだのは、「アスペルギルスオリゼ」という麹菌でした。ネーミングの由来でもあるこの麹菌は、すっきりとした甘みと、さらりとした後味が特徴。余韻が強すぎずリラックスできて、心を前向きに整えてくれる…。そんな存在として自由に飲んでいただきたいやさしい甘酒です。
こちらは希釈タイプなので、その日の季節や気分でいろいろアレンジして楽しんでいただけたらと思います。
また近年、甘酒に“飲む点滴”という肩書きをよく見かけるようになって、同時に“効果的な飲み方”のような記事が出ていたりします。甘酒の栄養価が高いのは確かなのですが、いわゆる効率良く栄養を摂るための、健康食品的な部分ばかりがメインになってしまうのは、正直、どこかもったいなく感じてしまいます。
温めるとビタミンが壊れるとか、毎日定期的に飲まないとダメとかいう情報もあったりしますが、本当に温めたらいけないものならば、歴史上、冷たい飲みものとして今なお存在していたと思うんですよ。でも子どもの頃など、夏には冷やし甘酒を、寒い季節や風邪をひいたときなどに温めて飲みましたよね。「甘酒って、おいしいな…」と、ゆったり心で味わいながら、飲みたい時に飲んでいただきたいと思います。