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《2021春夏保存版》
サーラのおすすめ

Interview《巻頭特集》匠インタビュー

「サーラのおすすめ」巻頭特集である、匠インタビューをご紹介いたします。

虫たちと作った
世界に一つだけのレモン
河合果樹園

塩レモンやレモンケーキなど、レモンが一躍脚光を浴びている昨今。国産レモンといえば広島県の瀬戸内が有名ですが、じつは、レモンブームの火付け役となったのが、豊橋市にある〈河合果樹園〉です。無農薬栽培のレモンからさまざまな商品を開発し、レモンの魅力を発信し続けています。今回は、同果樹園の五代目となる河合浩樹さんにお話を伺いました。

老舗農家の立て直しを決意して就農
レモン栽培は直感的なひらめきで始めました

私が就農したのは昭和60年、23歳のときです。当時、わが家は農業において儲からないといわれていた二大作物、稲作と露地栽培の温州みかんを手がけていましたので、家計は火の車。それを何とかしたいと思ったのが就農した理由です。大学時代は農業技術とあまり関係のない農業経営を学んでいたのですが、幼いころから自然とふれあうこが大好きで、一日中昆虫を見ていても飽きない性分でしたので、果樹園で黙々と仕事をすることは自分に合っているとも思っていました。

まず手がけたのは、露地みかんより付加価値の高いハウスみかんの栽培でした。手ごたえは感じたのですが、その後オレンジの輸入自由化が決定。「みかん栽培だけでは、今後難しくなるな」と思い悩みました。そんなとき目に入ったのが、家の庭の片隅に植えてあった1本のレモンの樹だったんです。第六感としか言いようがないのですが、「これだ!」と直感したんですよ。それまで自然に親しむ中で磨かれた感性が導いてくれたように思います。平成5年、2アールのハウスを新設し、レモンの苗を100本購入して栽培を始めました。

レモンの完全無農薬栽培に挑戦。技術を確立

河合さんがレモン栽培をスタートした当時は、日本では輸入レモンが97%のシェアを占めていた。しかし、輸入柑橘類の収穫後に使用される農薬、ポストハーベスト問題が表面化したときでもあった。そこで、河合さんは、実現はかなり難しいといわれていたレモンの完全無農薬栽培に挑むことにした。

無農薬栽培をしようと思ったのは、効率の良さを追求するあまり安全性を犠牲にした農業に疑問を感じていたこともありましたが、レモンの皮に機能性成分が豊富にあったのも大きな理由です。皮にはビタミンやミネラルが果汁の5~10倍もあり、免疫機能を高めるリモネンや、抗酸化作用のあるへスぺリジンも多く含まれている。こうした成分を農薬のために摂取できないのは、非常にもったいないと思ったのです。

知識も経験も乏しい中での挑戦は、気候変動や病害虫に悩まされて苦難の連続でした。でも、これまでの既成概念にとらわれず、ニュートラルな姿勢で栽培に取り組んで、平成8年に有機JAS認証で認められている農薬さえ使用しない完全無農薬レモンの販売にこぎつけました。成功のカギは、EM菌と害虫を食べてくれる昆虫の投入でした。EM菌とは、乳酸菌や酵母など自然界にいる人にも環境にもやさしい善玉菌の集合体で、植物の健康を高めてくれます。昆虫の投入に関しては、子どものころから自然に親しんできた経験が大いに役立ったと思います。農作業をしている中で、どの昆虫が何を食べてくれるのかに気づけたのです。

無農薬レモンの良さを伝える必要性を実感

おかげさまで平成10 年には、東京都内の高級青果店での販売が実現し、経営が軌道にのりました。そこで、平成12年、新たに500 本の苗木を導入。ハウスを9アールに拡大しました。

ところが、その年、突然販売店から契約価格を半値に引き下げるように通告された。驚いて、店へ出向いてその理由を聞くと、「国産のエコレモン★との違いがわからない」と言うのです。ちょうどそのころ、国産レモンの生産量が増加し始めた時期でした。いくらいいものを作っても、その商品の良さや生産者の想いを取引先や消費者に伝えなければ、売れないのだと気が付きました。

河合さんは、そこで平成13年、自力で果樹園のホームページを立ち上げた。自身のレモン栽培のこだわりや、その背景にある物語、レモンへの想いを毎日伝えつつ、インターネット販売も同時にスタート。また、自ら「レモンライフ研究家」と名乗り、レモンの機能性成分や、皮を含めた食べ方の発信にも力を注いだ。

そんな努力の結果、食の安全性に関心のある首都圏のお客様を中心に、レモンを購入していただける方が徐々に増えていきました。おかげさまでリピーターの方も多く、現在はうれしいことに採れた分を販売するとすぐに売り切れてしまいます。

平成21 年からは、レモネーディアの栽培にも力を注いでいます。レモネーディアは昭和40年代に栽培されていた品種で、人気がなくて作られなくなっていたのですが、通常のレモンに比べて酸味が5分の1しかなく、香り成分のリモネンが多くて芳醇な香りが楽しめるんです。当園ではレモンより人気があります。未体験の方は、ぜひ味わっていただきたいですね。

今回ご紹介する「レモネーディア露(つゆ)纏(まとい)睦月の雫」は、当農園の看板商品です。露地栽培のレモネーディアを霜に当たらないようぎりぎりまで越冬させて甘みを蓄えさせ、いちばんおいしい1月に収穫したものを皮ごと絞ったストレートジュースで、〈河合果樹園〉のオリジナル商品です。炭酸で割ってレモネーディアスカッシュに、醬油と併せてポン酢に、また野菜ジュースの調整にと、さまざまな味わい方が楽しめます。毎年、箱買いしてくれるお客様もいる人気商品なんです。

他業種と提携し、商品を共同開発
「初恋レモンプロジェクト」が進行中

果樹園が軌道にのった河合さんは、現在、自ら商品開発を行う一方で、平成20 年から地元ホテルや食品加工業者と連携して、無農薬レモンを使った商品を「初恋レモン」のブランドで開発・販売する「初恋レモンプロジェクト」を進行中。地元豊橋の地域活性化に取り組んでいる。

市内のある施設から「無農薬レモンの皮を使ったレモンパンを作りたい」と相談があったことがきっかけで、豊橋市について調べてみたんですよ。すると、歴史も文化も非常に奥が深くて魅力的な土地だとわかった。そこで、地元に根差した活動を通して、豊橋全体を盛り上げられないかと思い、「初恋レモンプロジェクト」を始動しました。これまで「初恋レモン餃子」や「初恋レモンケーキ」「初恋レモンビール」など、さまざまな商品を開発しています。現在は10社の方々と手を組んで、商品開発だけでなくイベントも開催しているんですよ。今号の表紙にあるひと皿も、プロジェクトメンバーである〈ホテルアークリッシュ豊橋〉が当園のレモンを使って作ってくれたスープです。〈河合果樹園〉の製品としては、今回ご紹介するもうひとつの商品、「初恋レモンレモネード」があります。当園の無農薬レモンを一部皮ごと絞って作ったレモネードで、ほのかに苦みが感じられる大人の味に仕上げています。こちらも、ぜひ味わっていただけたらうれしいです。

近年は気候変動が激しくて、農作物の栽培は毎年試行錯誤の繰り返しです。温暖化が激しいため、以前は有効だった鉢植え栽培もうまくいかないことが多い。だから、地面にシートを敷いて栽培する方法なども試しています。また、今年から温暖化に備えて暑さに強いライムの栽培をスタートしました。夏場にライムの果汁をライスにふりかけると食欲が出るし、肉料理との相性も抜群なんです。さらに、香りの高いベルガモットの試験栽培も始めています。常に模索しながら先駆けの農業をしていくのが、私の農業スタイルなんです。年齢的にはそろそろゆったり構えて、趣味的な農業をしていきたいと思っているのですが、ついいろいろと手を出してみたくなっちゃうんですよね(笑)。

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